JALとANAを徹底比較!両社の全体的な違いは?今後の展望は?

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日本の航空会社といえば、日本航空(JAL)全日本空輸(ANA)
しかし、あまり飛行機を使わない人にとっては「JALとANAはどう違うの?」と思うのが正直なところではないでしょうか。

そこで、両社を徹底比較しました

マイル、座席などの具体的なサービスの比較については別の記事で書きますので、
その前にまずはJALとANAの全体的な大きな違い、今後の展望などについて書きたいと思います

注意

記事内の情報は、この記事を書いた2016年当時のものです。

JALとANAの全体的な違い

JAL機体工場見学

日本を代表する航空会社であるJALとANA。
そもそも会社としてどう違うのか気になったので、調べてみました。

基本情報

まずは、JAL。

正式名称は、日本航空株式会社(Japan Airlines Co., Ltd.)
「日航」「JAL」などと呼ばれています。
IATA航空会社コード(2レターコード)は「JL」。

1951年設立。
1953年には日本航空株式会社法に基づく半官半民の会社となり、1987年に同法が廃止されて完全民営化するまでその状態が続きました。

ご存じの通り、JALは2010年に経営破綻し、公的資金を投入。
大幅な従業員削減・路線廃止などの痛みを伴う経営改革を行い、2012年に東証一部に再上場を果たしました

現在の本社は東京都品川区。
資本金約3,558億円、単体従業員数約11,000人。2015年度連結売上約1兆3,366億円、営業利益約2,091億円。

そして、ANA。

正式名称は、全日本空輸株式会社(All Nippon Airways Co., Ltd)
「全日空」「ANA」などと呼ばれています。
IATA航空会社コード(2レターコード)は「NH」。

1952年設立。JALとほぼ同じ時期です。
しかし、ANAはヘリコプター2機から始まった民間会社です。

ちなみに、航空会社コードが「NH」なのは、設立当時のANAの社名「日本ヘリコプター輸送株式会社」(Nippon Helicopter)に由来しています。

ANAは持ち株会社制に移行したので、全日本空輸株式会社も持ち株会社であるANAホールディングス株式会社傘下の一事業会社という位置づけになります。

本社は東京都港区。
資本金約3,187億円(ANAホールディングス株式会社)。単体従業員数約13,000人。2015年度連結売上約1兆7,911億円、営業利益1,364億円。

会社の規模はJALもANAも似たような感じです。

路線・就航地

かつては「国際線のJAL」「国内線のANA」という位置づけがありました。

JALは1953年に日本の航空会社として初めての国際線である、羽田-サンフランシスコ便の運行を開始。
(今でも「日本航空1便(JL1便)」はサンフランシスコ発羽田行きとなっています。)
その後も、JALは官民一体となって国内外に路線を伸ばしていきました。

一方、ANAは国内ローカル線を中心に路線を拡大。
国際線定期便を就航したのは、JALに遅れること33年、1986年に成田-グアム便で運行を開始しました。

現在は、両社とも以下のように国内線・国際線どちらにも多くの路線を持っています。

JAL:国内線117路線、国際線54路線
ANA:国内線123路線、国際線81路線

国内線、国際線ともにANAの方が多いですね。

ただ、両社それぞれに強みがあります。

国際線ではANAは中国本土線とアメリカ線を多く持ち、JALはヨーロッパ線を多く持っています。

ANAは日米航空交渉の結果、羽田発着の北米路線を4往復確保した(JALは2往復)ので、この点ではANAが有利です。
ANAは昼間帯のニューヨーク便やシカゴ便の開設を予定しています。

国内線は羽田発の路線では両社就航都市・便数ともに大差はありませんが、地方都市に関しては昔から全国的にローカル線への拡充を広げてきたANAの方が強いです。
例えば、名古屋(中部)発のJAL便は札幌・成田・羽田・沖縄の4都市のみ(季節便を除く)であるのに対して、ANA便は日本各地18都市を結んでいます。

今後の展望について

ANA機体工場見学

機材導入計画

両社とも、中長距離路線の大型機の主力であるボーイングB777の入れ替えを計画しています。
両社が選んだ後継機は、JALがエアバスA350、ANAはB777の新型B777X

それから、ANAはエアバスA380の導入を発表しました
ジャンボ機(ボーイングB747)を上回る総二階建ての巨大機。スカイマークが導入を計画していましたが購入をキャンセルしたため、スカイマークの経営支援の影響でANAが購入することになったと言われています。この巨大機を3機導入して、ホノルル線に投入予定です。

また、導入計画があるのは、三菱のMRJ
両社ともに導入を表明しているのであまり違いはありませんが、実際に導入するとANAはローンチカスタマーになります。
B787もANAがローンチカスタマーでしたし、ANAのアピール力は半端じゃないですね!
残念ながら、JALはこのところローンチカスタマーにはなっていません。

路線展開

ANAは長距離国際線への路線拡充JALは地方線や近距離国際線への拡充を図ると言われています。

来年以降JALに動きがあると思います。
先ほど書いたように、JALは2010年に経営破綻して再建を終えたばかりです。再建にあたっては、公的資金が投入されたり、銀行が債権放棄したり、税金の面でも優遇されたりといいことずくめ。このため、国交省は「破綻から再建するのに公的支援を受けたことで、航空会社間の競争環境が不適切に歪められてはいけない」として、いわゆる「8.10ペーパー」が出されました。

潰れた会社を立て直すのに税金をつぎ込み、借金をチャラにし、さらに税金もまけてあげたから、まともな会社に立て直すことのみに専念して、金を好き勝手に使ってはダメ!っていうことです。

このため、JALは新規路線の開設や新規投資ができませんでした。
先の日米航空交渉で合意した羽田発着の米国路線の割り当てにANAに4往復、JALに2往復という差がついたのもこのためです。

この規制は来年3月で外れます。
JALはどういう行動に出てくるのか注目したいところです!

まとめ

羽田空港

JALとANAの全体的な違い、今後の機材導入計画・路線計画などについて見てきました。
今後両社がどのような展開を見せてくれるのか、飛行機好きの僕としては本当に楽しみです!

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