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ドイツにある「ノイシュバンシュタイン城」を知っていますか?山と森の大自然の中に佇む、青い屋根で白亜の城。ドイツに行く日本人観光客に大人気の観光スポットとして有名です。ディズニーのお城のモデルになっているとも言われています。そんなノイシュバンシュタイン城の歴史や見どころ、そして「ツアーなどではなく個人旅行で自分で行ってみたい!」という方のためにノイシュバンシュタイン城への行き方も調べてみました。
ノイシュバンシュタイン城とは?歴史は?
ノイシュバンシュタイン城は、ドイツ南部のバイエルン州にあるシュバンガウという小村にあります。ドイツのロマンチック街道の南端にあたり、同州の州都ミュンヘンから南西に直線距離で約90kmの場所です。なお、ミュンヘンはBMWが本社を置く、人口140万人の工業都市でもあります。
「ノイシュバンシュタイン城」をドイツ、、語で書くと”Schloss Neuschwanstein”。
“schloss”(シュロース)は英語で”castle”(城)、”neu”(ノイ)は”new”(新しい)、”schwan”(シュバン/シュヴァン)は”swan”(白鳥)、”stein”(シュタイン)は”stone”(石)。「新しい白鳥の石の城」という意味です。白鳥のように真っ白な城です。
築城したバイエルン王ルートヴィヒ2世の非業の死とその謎、彼とワーグナーとの関係など、知れば知るほど興味が湧いてくるお城です。
ノイシュバンシュタイン城は19世紀後半にバイエルン王ルートヴィヒ2世によって建てられました。その頃の日本は明治初期です。1845年に生まれたルートヴィヒ2世は18歳で王位を継承しますが、政務を嫌い、中世の騎士道に憧れる人物でした。中世への憧れを現実のものとするために、ベルサイユ宮殿に負けないような城を建てることを望み、一方ではワーグナーに心酔して彼が死ぬまで経済的支援を続けます。
ノイシュバンシュタイン城はルートヴィヒ2世の理想を具現化するために建てられたもので、城のデザインを任されたのは建築家ではなく舞台装置や舞台美術の専門家でした。そして、城の内部はいたるところ「ローエングリン」「タンホイザー」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」などワーグナーのオペラ作品の舞台に倣って作られたのです。
ルートヴィヒ2世はノイシュバンシュタイン城の他にも自身の理想を求めていくつか城を築いていて、その間もワーグナーの経済的支援を続けるなど、莫大な借金を続けていきます。
このような状況に危機感を抱いたバイエルン政府はルートヴィヒ2世を精神鑑定にかけた上でミュンヘン郊外シュタルンベルク湖畔のベルク城に幽閉してしまいます。
そして幽閉の翌日、主治医の精神科医グッデン博士とともに散歩に出かけたまま夜になっても帰らず、湖畔捜索の結果、湖岸近くの浅瀬に沈んでいた二人が発見されたのです。蘇生の努力も虚しく、二人が息を吹き返すことはありませんでした。1886年6月13日のことです。死因はいまだ謎のままです。
ルートヴィヒ2世の死後、ノイシュバンシュタイン城は未完成の部分を多く残したまま工事中止となりましたが、借金の抵当にされるのを防ぐためにルートヴィヒ2世の死後2ヵ月を待たずに一般公開されることになります。
その後、1890年から1892年にかけて「婦人の館」が元の設計図通りに建てられます。これは城の外観を整えるための建設で、当初の予定より簡素に造られ、内装は施されていないそうです。現在でも城全体の3分の1が未完成のままだと言われています。
ノイシュバンシュタイン城の見どころは?
城に続く道を歩きながらその外観を眺めているだけで満足してしまいますが、他にも城内、城外に見どころがあります。
ちなみに、城内は撮影禁止なのでご注意を!
(城内から外の景色を撮影するのは可能です。)
マリエン橋からの眺め
▼ノイシュバンシュタイン城はペラート峡谷にかかるマリエン橋(吊り橋)からの眺めが最も美しいと言われています。
ノイシュバンシュタイン城の写真でよく見かける構図です。
玉座の間
4階と5階を吹き抜けにした豪華絢爛な間です。完成前に王が死去し、工事が中止されてしまったため、玉座は据えられていません。王の死後1904年に玉座の間にシャンデリアが設置されました。96本のろうそくが灯され、シャンデリアの重さは何と900kg。
寝室
寝室は豪華なゴシック様式です。壁画に描かれているのはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の場面です。見事な彫刻が施された天蓋付きの巨大なベッドが据えられ、そのわきには洗面台、蛇口は白鳥の形をしています。バルコニーに出ると、ペラート峡谷の絶景が望めます。
歌人の広間
絢爛豪華さは玉座の間に匹敵するほどの大ホールです。オペラやコンサートが開催できる広さがありますが、ルートヴィヒ2世は、客のためではなく自分が観るためにこの広間を造らせたと言われています。しかし、ルートヴィヒ2世の存命中にオペラが開催されることはありませんでした。
洞窟
豪華絢爛な部屋を巡っていると度肝を抜かれる空間に出ます。城の中に人工の洞窟があるのです!内部には凝った照明があり、滝も作られました。ルートヴィヒ2世の個人的趣味で作られたもので、「タンホイザー」のヘーゼルベルクの洞窟が元になっています。
城内には、この他にも、赤の廊下、従僕の部屋、控えの間、居間、更衣室、回廊、執務室、副官の部屋などが公開されています。
ホーエンシュバンガウ城
▼ノイシュバンシュタイン城から直線距離で1kmほどの所にある城です。ルートヴィヒ2世は幼年時代をここで過ごしました。
世界遺産には登録されていない?
ノイシュバンシュタイン城は、美しい外観、堂々とした佇まい、豪華絢爛な内部、ドイツを代表する大人気観光スポット。これだけの存在感があるので世界遺産に登録されているのだろうと思われがちですが、実際は登録されていません。
世界遺産とは「人類が共有すべき『顕著な普遍的価値』を持つ物件」のことです。
ノイシュバンシュタイン城は、中世の騎士道に憧れるルートヴィヒ2世がその憧れを具現化するという個人的な趣味のために 国の莫大な金を使って造られたものです。
しかも、作られたのは19世紀後半で、時代的にも中世ではありません。
いくら豪華で美しい造りでも、そのような建築物は世界遺産という世界的に価値あるものには該当しないということですね。
国の金を浪費して作られた建築物が現在は重要な観光資源になっているのは皮肉です…。
ノイシュバンシュタイン城はシンデレラ城のモデルになっている?
シンデレラ城のモデルはノイシュバンシュタイン城と言われることがありますが、本当にそうなのか気になったので、調べてみました。
気になる方は読んでみてください。
シンデレラ城のモデルは何?ノイシュバンシュタイン城ではない!?
所要時間
ノイシュバンシュタイン城のガイドツアー自体の所要時間は約30分です。
※館内の見学はツアーへの参加が必須です。
しかし、せっかくの機会なので、ガイドツアーの説明(日本語もあり)をゆっくり聞き、外の景色が眺められるところからはシュバンガウの景色を楽しみ、マリエン橋からも眺め、さらにホーエンシュバンガウ城にも足を延ばしましょう!これを全て行おうとすると、最低でも半日は掛かります。
日本の行楽シーズン、ヨーロッパのバケーションシーズン(夏場)は大混雑するので、さらに余裕を見ておいた方がいいです。
アクセス
ツアーなどで行くのが楽ですが、自分でノイシュバンシュタイン城へ行ってみたいという方のために行き方を調べてみました。
鉄道の場合
ミュンヘンを起点にした行き方をご紹介します。
ミュンヘン中央駅(München Hbf) → ドイツ鉄道(DB)で約2時間 → フュッセン駅(Füssen)下車 → フュッセン駅のバスターミナルからバスで約10分 → ホーエンシュバンガウ(ホーエンシュヴァンガウ)(Hohenschwangau)下車
※「Hbf」はHauptbahnhof(中央駅)、「DB」はDeutsche Bahn(ドイツ鉄道)のことです。
※ミュンヘン中央駅からフュッセン駅へは途中で乗り換えが必要な場合もあります。
麓のホーエンシュバンガウからの移動手段としては、バス、馬車、徒歩があります。
バス:ホテル「Lisl(リースル)」前で乗車 → 約10分 → 「マリエン橋」下車 → 徒歩約15分(坂が急です!)
馬車:ホテル「Müller(ミュラー)」前で乗車 → 約20分 →馬車を降りて徒歩約5分
徒歩:約40分(約1.5km)。標高差が140mくらいあるので、上り坂は覚悟しておきましょう!
車の場合
ミュンヘン空港からホーエンシュバンガウまでの道順です。
Terminalstraße West → St2684 → A92 → A99 → A96 → [24-Landsberg a.Lech-West]でA96を出る → B17 → Schwangauer Str.
約156kmあり、所要時間は約1時間50分です。
駐車場
山麓のホーエンシュバンガウに駐車場が計4ヵ所あります。(P1-4)
ノイシュバンシュタイン城とホーエンシュバンガウ城のどちらにも行く場合は、駐車場P4が便利です。
ホーエンシュバンガウ駐車場 ※英語・ドイツ語のみ
営業時間:8:00-20:00
料金:普通車1日6ユーロ
営業時間・休館日・料金
営業時間(チケットセンター):
夏(2016年 3/19–10/15) 8:00-17:00
冬(2016年 10/16-12/30、2017年 1/2-4/9) 9:00-15:30
ガイドツアー:
夏(2016年 3/19–10/15) 9:00-18:00
冬(2016年 10/16-12/30、2017年 1/2-4/9) 10:00-16:00
休館日:1/1、12/24-25、12/31
料金:
・ノイシュバンシュタイン城のみ
大人 12.00ユーロ
小人(18歳以下で親同伴) 無料
学生・シルバー(65歳以上) 11ユーロ ※証明できるものを提示
ガイドツアー 無料
・ノイシュバンシュタイン城+ホーエンシュバンガウ城
大人 23.00ユーロ
小人(18歳以下で親同伴) 無料
学生・シルバー(65歳以上) 21ユーロ ※証明できるものを提示
ガイドツアー 無料
チケットはホテル「Müller(ミュラー)」の右隣になるチケットセンターで購入します。
インターネットでの事前予約も可能です。(城1ヵ所につき1人1.80ユーロ掛かります。)
>>> ノイシュバンシュタイン城チケット事前予約 ※英語・ドイツ語のみ
まとめ
ノイシュバンシュタイン城はもちろん、ホーエンシュバンガウ城や麓のホーエンシュバンガウの街も魅力がいっぱいなので、一緒に観光しましょう!日帰りではなく泊まりで行くのがおすすめです。iPodやウォークマンにワーグナーの曲を入れておくのをお忘れなく!
ノイシュバンシュタイン城 Schloss Neuschwanstein
住所:Alpseestrasse 12, 87645 Hohenschwangau, Germany(チケットセンター)
電話番号:+49 (0) 83 62 – 93 08 30
>>> ノイシュバンシュタイン城のホームページをチェック(英語版)
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